シルバー(XAG/USD)価格は過去1週間で7.2%上昇し、今月の損失をほぼすべて取り戻した。3月23日の安値から33%上昇し、現在は79.50ドル近辺で推移している。
米ドル指数(DXY)の下落と停戦に対する楽観的なセンチメントの高まりが、この回復を後押ししている。ただし、シルバーは1月29日以降続く弱気チャネル内にとどまる。このチャネルを上抜ける場合、構造は「回復」から「トレンド転換」へと変化する。
シルバー価格は、1月29日以降、日足チャート上で下落トレンドチャネル内を推移してきた。このチャネルは米ドル指数(DXY)の上昇とともに形成された。DXYは主要通貨に対するドルの強さを示す。
チャネルの下限は3月23日に試され、シルバーは60.86ドルをつけた。その時、DXYは99.40近辺まで上昇。この逆相関が明確に表れた。ドルが強含むと、シルバーは下落した。
しかし4月8日以降、この関係は逆転。DXYは下落し、現在は99.20近辺(前月比2%超下落)に位置。シルバーは3月の安値から3週間で33%上昇している。米国とイランによる停戦後、原油価格が100ドルを下回り、インフレ期待が後退したことがドル需要の減少につながった。ドルの弱含みが貴金属に直接流れ込んでいる。
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それでもなお、シルバーは弱気チャネル内にある。上値抵抗線は近く、シルバーがこれを上抜ける必要がある。ドル取引を超えてこの動きが持続するかどうかは、2つの先行指標にかかっている。
BeInCryptoのシルバー対ソーラー需要ラグモデルは、シルバーの価格と遅行する太陽光発電需要トレンドの差を示す独自指標。現在の読取値は-0.389で、依然としてゼロライン下にある。
ただし、方向性も重要だ。同モデルはシルバーが60.86ドルをつけた頃、マイナス1.34近辺で底を打った。その後、着実に上昇している。前回シルバーが大きな高値を記録した際、モデル値はプラス2.0付近だった。ゼロ超えとなれば、シルバー価格が基礎的な産業需要にようやく追いつきつつあることを示す。このクロスはまだ起きていないが、トレンドは好転している。
その一方で、最大の銀ETFであるiShares Silver Trust(SLV)のオプション動向もセンチメント変化を裏付ける。3月20日時点で、SLVのプット・コール未決済建玉比率は0.63だった。この指標は弱気なプットと強気なコールの賭けを比較する。取引高比率は0.86で、ほぼ拮抗していた。
しかし4月14日現在、未決済建玉比率は0.59に、取引高比率は0.45まで低下。いずれも弱気ポジション解消を示す。インプライド・ボラティリティ(IV)は58.31%、IVパーセンタイルは73%で、過去1年より高い水準となる。プット・コール比率低下と高いIVは、大きな方向性転換の前兆となることが多い。
DXYの逆相関、ソーラーラグモデルの好転、SLVオプションの動向は、すべてが強気なセンチメントの改善を示唆する。ただし、シルバーの価格チャートがこれを裏付ける必要がある。
日足の価格チャートは、シルバーが突破すべき重要な水準を示す。下落チャネル上限と主要なテクニカルポイントは84.29ドル近辺で重なる。この水準は現在値より6.46%上。
84.29ドルの明確な上抜けは、1月29日以来初めてシルバーが弱気チャネルを脱したことを意味する。DXYの下落が続き、停戦協議が維持されれば、91.46ドル、98.63ドル、108.67ドルも視野入り。1月29日の過去最高値121.84ドルはさらにその上となる。
84ドル突破に失敗した場合は、シルバーはチャネル内のレンジ相場入りが続く。一方、0.236フィボナッチ位置の75.42ドルを下抜けた場合は、ドルが再び強含みとなるか、停戦協議が決裂したことを示唆し、シルバー価格は61.08ドル付近まで下押す可能性がある。
終値が84ドルを上回れば、チャネルを突破し91ドル、さらに108ドルへの道が開ける。一方、上値を抑えられれば銀価格は依然としてレンジに閉じ込められ、33%上昇が持続的な回復だったのか、単なる「デッド・キャット・バウンス」だったのかを試される展開。

