サム・アルトマン氏は、複数のCodexによるコーディング作業を立ち上げた際、自律型エージェントへの楽観的な見方を述べた。同氏が子供の昼寝時間に戻ると、すべての業務がすでに完了していたという。
オープンAIのモデルを「自閉症的な天才」と表現したわずか1日後、サム・アルトマン氏は次回のAIリリースの名称を「ゴブリン」にすべきだと冗談を述べた。
CodexはオープンAIのコーディングシステムである。自然言語の指示を解釈し、開発者による逐一の確認なしに稼働するコードを生成する。アルトマン氏のエピソードは、このツールが実業務を無人で遂行できる段階に到達したことを示している。
オープンAIの立ち位置も変化した。Codexは、もはやオートコンプリートツールとしてだけでなく、タスクリストを保持し、工程を順序立てて実行し、完了した成果物を返すエージェントとしてマーケティングされている。
これによりCodexは、Anthropicやグーグルの競合するコーディングアシスタントと競う構図となった。両社とも同様の自律型ワークフローの実現を急いでいる。オープンAIのエンタープライズ向け提案では、こうした無人プロセスが強調されており、特に同社がマイクロソフトとのクラウド連携を強化した後は、その傾向が強まっている。
同時期、アルトマン氏はX上でオープンAIの次期モデルで改善を希望する点についてユーザーにアンケートを実施した。後に同氏は、投票結果が「ロードマップとおおむね一致している」と述べ、さらに人気要望である「もっとゴブリンを」という声を紹介した。
数時間後、同氏は次回リリース名を「ゴブリン」にするのは「皆を喜ばせるためにはほぼそれだけで価値がある」と投稿した。オープンAIはすでに4月29日、「Where the Goblins Came From」と題したレポートを公表している。この報告書は、GPT-5.1以降のモデルが比喩でゴブリンやグレムリンなどの妖精的存在を使い始めた理由を分析している。
その理由は、モデルの挙動が多くの小さなインセンティブによって形成されているためであり、今回の事例では特に「オタク」的な個性を持たせる訓練の過程で、比喩や生き物に関する言語が偶発的に評価され、「ゴブリン」が広まったという。
先にXで使われた「自閉症的な天才」という表現は、現行モデルが強力でありながら不均一であることを示唆している。オープンAIの主力システムは、人間を凌駕する技術的なタスク遂行力を見せつつ、言葉のトーンではつまずくこともある。
この2つの潮流は、必ずしも明快に交わっていない。オープンAIはCodexが本格的なエンジニアリング作業を無監督でこなせるようになったと示す一方で、消費者向けモデルではフォークロア的な語彙が広がり、研究者の調査対象となった。次回のリリースで、自律型ツールの性能とモデルの個性、どちらが2026年の主役となるかが明らかになる。


