S&P500の下落リスク回避を目的とする投資家の需要は3月以降大幅に減少している。個別株3カ月のプット・コールスキューは過去20年で4番目に低い水準まで低下した。
このヘッジ指標は3月以降で75%下落した。下落幅としては2025年4~5月期以来で最大となる。
The Kobeissi Letterのデータによれば、S&P500個別株ベースの3カ月プット・コールスキューは0.04となった。この数値は2021年のミーム株ブーム時を下回っている。
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この変化は際立つ。3月時点で同じ個別株指標はおよそ0.15、昨年8月以降で最も高い水準だった。S&P500指数全体のプット・コールスキューも0.50近く、過去3年で高水準となっていた。
スキューの数値が高いほどプット需要と弱気なポジションが強まっていることを示す。一方、低い場合は投資家のヘッジ縮小と上昇リスク選好を示唆する。
現状の0.04という水準は、市場が「暴落保険」の需要をほとんど織り込んでいないことを示す。The Kobeissi LetterはX上でトレーダー心理の変化を解説した。
このスキュー圧縮は、米株式市場の過去最高値更新と同時進行で起きている。S&P500は5月に過去最高値を更新した。3月31日以降、同指数は16%以上上昇した。
5月21日には地政学的要因も追い風となった。パキスタンの仲介による米国とイランの暫定合意案が報じられ、5000億ドル規模の資金が米株式市場に流入した。
ミーム時代の高揚期よりも下落保険が割安となる中、市場は警戒より強気を示している。このリスク選好の傾向は歴史的にビットコインなど高β資産にも追い風となってきた。
今後の焦点は、この枠組みが正式合意へ転じるかどうかに移る。交渉が難航すれば、市場の楽観そのものが新たなリスク要因となる可能性もある。
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