生成AIバブルへの懸念が拡大している。大手テック企業がAI投資をクラウド収益へと循環させているとの指摘もあり、ドットコム時代を彷彿とさせるような不安が高まっている。生成AIバブルへの懸念が拡大している。大手テック企業がAI投資をクラウド収益へと循環させているとの指摘もあり、ドットコム時代を彷彿とさせるような不安が高まっている。

AIバブル懸念拡大、大手ITが自社クラウドに循環取引

2026/05/25 21:15
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ビッグテックの2兆ドルAIブームに構造的な欠陥。大手は自社クラウドの利用料で静かに自分たちに資金を回していると批判されており、AIバブル懸念がドットコム時代と重なる様相を呈している。

最新の企業開示によれば、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、オラクルが保有する将来のクラウド契約約2兆ドルのうち、オープンAIとアンソロピックが単独で約半分を占める。時価総額1兆ドル規模の4社が、赤字スタートアップ2社に依存する構図。

自分に戻るクラウドループ

批判者はこの仕組みを循環取引型の資金ループと呼ぶ。大手テック企業がAIスタートアップに数十億ドルを投じる。契約はその資金をクラウド利用料として元の企業に戻す。資金は建物の外に出ることがない。

マイクロソフトのオープンAIへの130億ドル出資は典型例である。出資の多くはAzureクラウドのクレジットとして提供。オープンAIはこれをモデルの学習に使用し、マイクロソフトは新たな商業収入として計上した。

オープンAIの年間クラウド利用料は報道によると600億ドルを超えた一方、実際の売上高は250億ドル程度にとどまる。

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アンソロピックもアマゾンと同様の取引を行う。クロード開発元は、9か月でアマゾン・ウェブ・サービスに26億6000万ドルを費やし、ほぼ全売上を充てた。

この構造は2001年、グローバル・クロッシングとクエスト・コミュニケーションズが光ファイバー容量を交換し、売上を水増しした事例を彷彿とさせる。

クエストは最終的に架空収益14億ドルを修正し、グローバル・クロッシングは破綻した。2026年の現状は、現行の会計ルール下で適法。

帳簿上の利益が業績を支える

ループのもう1つの側面は、損益計算書に表れる。AIスタートアップへの新たな資金調達が行われるたび、ビッグテックの出資額は価値を上げ、帳簿上の含み益が純利益に計上される。

アルファベットは2026年第1四半期に626億ドルの過去最高利益を記録。このうち約287億ドルはアンソロピック株の評価益によるものと、開示資料で示される。

アマゾンも同様の手法を採用。純利益303億ドルのうち、約168億ドルはアンソロピック関連収入であると、フォーチュン誌の分析が指摘した。

見かけの利益の一方で、アマゾンのフリーキャッシュフローは95%減の12億ドルに落ち込んだ。同期間にデータセンターへの投資で442億ドルを投入した。

マイクロソフトは将来の受注残高6270億ドルの49%をオープンAI1社に依存。オラクルはさらに高く、5530億ドルの54%が同一顧客による。

一般企業はすでに壁に直面

より大きな課題は、AIが安全なループから実際の予算会議に移る瞬間に始まる。通常の企業はインフラ投資を自社収益に再計上できず、請求書は急速に積み上がっている。

ウーバーは2026年のAIコーディング用予算を4月時点で消化。アンソロピックのクロード・コードやカーソルを数千人の技術者に付与した結果、一部社員のAPI利用料は毎月500ドルから2000ドルに達した。

マイクロソフトも、数十億ドル規模のアンソロピック提携にもかかわらず、従業員の社内クロード・コード利用を中止するよう命じた。トークン消費が持続不可能との理由で、フォーチュン誌の報道が伝える。

エヌビディアの応用ディープラーニング部門のブライアン・カタンザーロ副社長は、自身のチームが計算資源に人件費以上を支出していると認める。

安価な半導体が計算式を救うとは限らない。トークン価格が下げ止まればエージェントによる作業量が増す傾向にあり、企業AI投資はハードのコスト低下後も増え続ける可能性。

AIバブルは「証明フェーズ」へ

市場はもはやAIが成長できるかどうかを問う段階を過ぎている。今はAIに投資した費用を回収できるかどうかが問われている。

インデックスファンドや退職年金口座は、AI由来の利益を支える一握りの赤字スタートアップに依存する、数兆ドル規模の銘柄群により一層巻き込まれている。

暗号資産投資家も直接的な利害関係を持つ。ビットコイン(BTC)は2026年1月にナスダックとの相関係数0.75を記録した。

ビットコインと米国ソフトウェア株 出典:Grayscaleビットコインと米国ソフトウェア株 出典: Grayscale

つまり、NvidiaとOpenAI関連の取引が解消されれば、その余波がデジタル資産市場にも直撃する可能性がある。既に価格変動が激しいAIトークンが最初に影響を受ける構図。

時価総額上位のAI関連コイン 出典:Coingecko時価総額上位のAI関連コイン 出典: Coingecko

半導体価格の低下や自律的な導入、あるいは単純な会計上の合理性が次の局面を左右する形で、AIブームは証明を求められる段階に入った。

特に、伝統的大手金融も既に注目している。フィデリティは独自のAIバブル指標として5つの警告チェックリストを公表している。

  • 全体の収益成長率
  • 全体の収益の質
  • バリュエーションの過去比較
  • 企業による設備投資の負担可能性・持続性
  • 金利サイクル

ビッグテックの2024年第1四半期の決算は、収益の質設備投資の負担可能性という2つの指標を既に警戒水準まで悪化させている。

警告サインが増え続ける限り、ブーム自体が何かを証明する好機すら訪れない可能性がある。

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