ビットコイン関連プロトコルを開発するバビロンラボ(Babylon Labs)が、ネイティブビットコイン(BTC)を担保として導入する取り組みを開始すると12月3日に発表した。この機能は、アーベラボ(Aave Labs)との提携により、アーベ(Aave)の新バージョン「アーベV4(Aave V4)」に実装される予定だ。
新バージョンのアーベV4は、共通基盤となる「ハブ」と、目的別に追加できる個別市場「スポーク」で構成されるモジュールアーキテクチャを採用する。スポークは特定の資産向けに最適化した貸借市場の役割を持ち、ハブにつなぐことで利用可能となる仕組みだ。今回の提携ではバビロンラボはBTCを担保として扱う専用スポークをアーべに構築するという。
アーベV4に採用されるBTC担保機能には、バビロンラボが開発する基盤「ビットコイン・ボールト(Bitcoin Vault)」が用いられる。ビットコイン・ボールトは、BTCをビットコインネットワーク上でロックし、その状態を暗号学的に証明することで、分散型金融で利用できる担保表現を生成する仕組みだ。これにより従来必要だったカストディ業者やラップド資産(WBTCなど)を介さずに、ネイティブのBTCをアーベ上の担保として利用できるとのこと。
バビロンラボの発表によると、2025年はBTCを担保とした貸借市場が拡大しておりBTC担保ローンの発行額は10億ドル(1,553億7,000万円)を超えたという。一方で、現在のBTC担保市場の多くは中央集権的な管理やラップド資産に依存しており、非カストディ環境でネイティブBTCを扱える仕組みは限られていた。今回の取り組みはこの課題に対応するものだとしている。
今後のスケジュールについて両者は、BTC担保スポークの構築をバビロンラボが担当し、アーベラボはアーキテクチャ設計やリスク管理の指針を提供すると説明した。テストは2026年1~3月に開始され、正式ローンチはアーべガバナンス承認を前提に2026年4月を目標としている。
なおバビロンラボはすでに「トラストレス・ビットコイン・ステーキング(Trustless Bitcoin Staking)」を提供している。同プロダクトは、ユーザーがBTCをビットコインネットワーク上でロックすることで報酬を得られる仕組みで、他チェーンへ移動させることなくBTCを運用できる点が特徴だ。これは担保利用を目的とした「ビットコイン・ボールト」とは用途が異なり、ネットワークのセキュリティ向上を目的とした設計となっている。
同社によると、現在60億ドル(9,322億円)相当を超えるBTCが同プロダクトで利用されているという。今回の取り組みも、ネイティブBTCの活用範囲を複数の分散型金融領域へ広げる試みの一環だとしている。
参考:バビロン
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