韓国KB金融グループ経営研究所は14日、「2025韓国富裕層レポート」を発表した。金融資産10億ウォン(約1億1,000万円)以上かつ不動産資産10億ウォン以上を保有する「韓国型富裕層」400人を対象に、7月21日から8月31日まで実施した調査結果と個人深層インタビューを分析している。
韓国富裕層は2011年の13万人から2025年に47万6,000人へと年平均9.7%増加した。これらが保有する総金融資産規模も年平均7.2%増加し、2011年の1,158兆ウォン(約127兆円)から2025年に3,066兆ウォン(約337兆円)を記録、今年初めて3,000兆ウォンを突破した。
資産ポートフォリオでは顕著な変化が見られた。2012年にピークの59.5%を記録した不動産資産比率は徐々に減少し、2025年には54.8%まで低下。一方、金融資産の投資比率に大きな変化がない中、その他資産のカテゴリーでは金・宝石などの実物資産とともに、代替投資先として新たに浮上する暗号資産(仮想通貨)への投資が増加し、韓国富裕層のポートフォリオで占める比重が高まった。
富裕層が考える「富の基準」は引き続き100億ウォン(約11億円)を維持している。しかし、富を築いた源泉には変化があった。従来の「不動産投資」と「相続・贈与」中心から「事業所得」へと1位がシフトし、「勤労所得」と「金融投資利益」で富を増やすケースも増加した。
資産管理の関心事も不動産投資一辺倒から、金融投資、実物投資、リバランシング、暗号資産まで徐々に多様化している。これは韓国富裕層が選んだ短期高収益投資先の変化でも確認され、「不動産投資」と「金融投資」への期待感は減少した一方、「その他資産投資」は徐々に比重が増した。
今年、富裕層が保有する総金融資産(3,066兆ウォン)は株式強気相場が牽引した金融市場回復により前年(2,826兆ウォン、増加率2.9%)比8.5%増加した。一方、総不動産資産(2,971兆ウォン、約327兆円)は不動産市況の不確実性により2024年比6.0%増にとどまり、過去と比較して上昇幅が縮小した。
短期(来年)と中長期(今後3~5年)にわたって高収益が予想される有望投資先として、過半数に近い韓国富裕層(短期55.0%、中長期49.8%)が「株式」を共通の1位に挙げた。株式については「投資額を増やす」という意見(17.0%)が「減らす」という意見(5.8%)の3倍に達し、金融市場全般への様子見ムードが濃厚な状況でも株式投資への高い期待感が確認された。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ウォン=0.11円)


