TOKI(トキ)がプロジェクトを終了し、提供するクロスチェーンブリッジを1月末でサービス終了することを1月22日に発表した。この決定は、TOKIのコア開発会社のデータチェーン(Datachain)と、その親会社スピー(Speee)に対する財務監査の問題から下されたとのことだ。
発表によると、ドバイ、ケイマン諸島、英領ヴァージン諸島にまたがるTOKIの企業構造が、TOKIとデータチェーンとの間に密接かつ独占的な関係があり、連結子会社として扱われる可能性があると、スピーグループの財務監査人がみなしたという。
TOKIのようなWeb3企業に対する明確な監査基準は日本でまだ確立されていないことから、適切な監査意見の作成は多大な追加監査作業と時間が必要になるとのこと。その結果スピーグループはこのような監査負担を受け入れることは現実的ではないと判断したという。
このような監査リスクを排除するための唯一の選択肢は、スピーグループからプロジェクト全てを完全に切り離すことだったという。しかしながらTOKIが開発と運用を継続するには、TOKIトークンの販売によって得られる資金を期待していたデータチェーンのエンジニアリング支援がなければ非常に困難であったとのこと。
TOKIは、あらゆる選択肢を慎重に検討したというが、結果的にプロジェクトを中止する結論に至ったとのことだ。
TOKIによるクロスチェーンブリッジは終了となるが、データチェーン内では引き続き、IBC(ブロックチェーン間通信)やLCP(Light Client Proxy)を用いたクロスチェーン基盤の開発・提供を行っていくとされている。
なおTOKIのクロスチェーンブリッジ終了は段階的に行われる。初期段階として、クロスチェーン転送機能と流動性デポジットの無効化およびリワークプログラムの終了を実施するという。
またTOKIトークンは発行されないため、流動性インセンティブのTOKIリワードおよびコミュニティインセンティブのTOKIポイントについては、TOKIが買戻しを行っていくとのこと。買戻しの詳細は来週に発表されるとのことだ。
TOKIは、コスモス(Cosmos)エコシステムのチェーンをつなげるIBCを採用し、TEE(Trusted Execution Environment)やゼロ知識証明(zero knowledge proof:zkp)といったセキュリティモデルを組み合わせ、「マルチプルーバーセキュリティ」という独自のアプローチにてコスモスエコシステム外のブロックチェーン同士をつなげている。
従来のトークンブリッジでは、第三者となるブリッジ運営者を信頼する必要があったが、TOKIではアプリケーション間の接続を重視した設計となっており、トークンブリッジにあたり第三者への信頼が不要となっている。
TOKIでは昨年2月、ベータメインネットとして本番環境で稼働開始。イーサリアム(Ethereum)とBNBチェーン(BNB Chain)間でIBC接続された初の事例として、両チェーンでのクロスチェーン転送が可能になっていた。また続いて昨年9月には、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンのOPメインネット(OP Mainnet)とイーサリアム間でのIBC経由のクロスチェーン転送を可能にしていた。
またTOKIは昨年3月、IDA Finance Hong Kong(IDA)、プログマ(Progmat)、データチェーンと共に、香港と日本間のステーブルコインを活用したクロスボーダー取引の実現に向けたPoC(概念実証)を共同で開始することを発表していた。また2024年9月には、プログマおよびデータチェーンが連携し取り組む、Swift(国際銀行間通信協会) のAPI モック/シミュレーション環境に適応したSCのクロスボーダー送金基盤の構築に、TOKIの流動性プールを活用することが発表されていた。
参考:TOKI
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