株式会社HashPort(ハッシュポート)は2026年1月28日、同社のノンカストディアル型ウォレットアプリ「HashPort Wallet」において、大型アップデートを実施したと発表しました。
今回のアップデートでは、日本円建てステーブルコイン「JPYC」での支払いに対応するとともに、ネットワーク手数料(ガス代)の一部をハッシュポート社が負担する「ガスレス決済」機能も導入されています。
この対応により、ユーザーは保有するJPYCで円建ての支払いができるようになり、加えてガス代の負担も軽減されました。
さらに、対応通貨の追加や外部レンディングサービスとの連携強化、不具合修正、UIの改良なども実施され、HashPort Walletの利便性向上が図られています。
LINE基盤での「JPYC」活用構想
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ハッシュポート社は公式X(旧Twitter)で、JPYCによるステーブルコイン決済機能を含む複数のアップデートを発表しました。
JPYCは、円と1:1で価値が連動する国産ステーブルコインで、発行からわずか1か月半でホルダー数が10万人を突破するなど、DeFi(分散型金融)や店舗決済などを中心に導入が進んでいます。
今回の決済機能追加により、ユーザーは為替変動リスクのない円建てでの支払いが可能となり、仮想通貨に不慣れな利用者でも扱いやすい環境が整いました。
また、ガス代のユーザー負担を軽減する新機能「ガスレス取引」も追加されました。
ハッシュポート社は、月間の一定量に相当するネットワーク手数料(ガス代)を自社で補填するサービスを開始しており、対象の取引ではユーザーがガス代を支払うことなくトランザクションの実行が可能となります。
この仕組みは、イーサリアムネットワークにおけるスマートアカウント機能「EIP-7702」への対応を通じて構築されており、ウォレットのスマート化によって特定条件下でのガスレス処理を可能にしています。
具体的には、ハッシュポート社があらかじめ定めた以下の利用条件を満たす取引において、ガス代はすべて同社が負担する設計となっています。
画像:HashPortプレスリリースより引用
さらに、法人向け機能「ビジネスウォレット」の提供も開始されました。
この機能は、企業向けのステーブルコイン決済サービス「HashPort Wallet for Biz」を円滑に導入するための仕組みであり、ウォレットアプリ内でビジネスウォレット登録を行うだけで、追加手続きなしに即時導入が可能とされています。
導入企業には、決済手数料、登録料、月額利用料といった各種コストが一切発生せず、導入の障壁が極めて低く抑えられています。
決済フローは、提示されたQRコードをHashPort Walletで読み取り、保有するステーブルコインで支払うという簡単な手順で、送金時のネットワーク手数料が不要な点も特徴です。
同社は、米ドル建てステーブルコイン「USDコイン(USDC)」などを保有する訪日外国人観光客による円建てガスレス決済の利便性を活かし、インバウンド消費の促進を図るとしています。
HashPort Walletは、2025年の大阪・関西万博で公式ウォレット「EXPO2025デジタルウォレット」に採用された実績をもとに開発が進められています。
万博期間中には累計で約100万件のアプリダウンロード、約590万件の取引処理を記録し、同ウォレットの安定性と運用実績が示されました。
こうした経験を通じて、同社は決済手数料が中小事業者にとって大きな障壁となっている点に着目し、その解決策としてHashPort Wallet for Bizを設計したと説明しています。
利用者と加盟店の双方に対し、決済手数料や月額料金などが一切かからない完全無料のサービスを提供することで、ステーブルコイン決済の社会実装を加速させ、キャッシュレス化の推進やインバウンド需要への対応につなげるとしています。
ハッシュポート社は、今回のアップデートと並行して「クロスチェーン転送プロトコルアグリゲーション」機能を2026年内に導入する計画であることも明らかにしました。
同機能が実装されることで、複数の異なるブロックチェーン上で支払われたステーブルコインを、受け取り企業側が指定する単一チェーン上の資産へ自動変換することが可能となります。
これにより、導入企業にとっては資金回収や換金にかかる手間が軽減され、資産の一元管理や経理処理の効率化といった効果が見込まれます。
同社は今後も機能の改善を継続し、ユーザー体験の向上とWeb3実用化に向けた開発体制の強化を進める方針です。
JPYC返済対応の新クレカ発行へ
HashPort、JPYC返済対応の新クレカ「ハッシュポートカード」発行へ|11月21日開始
2026年1月現在、JPYCに関連する取り組みが多方面で進展しています。
1月20日には、国内大手メッセージアプリを展開するLINEグループの関連企業であるLINE NEXTが、JPYC株式会社との連携を視野に入れた協業検討を開始したと発表しました。
この取り組みでは、LINEアプリ内でのリワード配布や日常的な少額決済へのJPYC導入を見据えた実証実験が予定されており、既存プラットフォームにおけるユースケースとして注目されています。
加えて、三井住友カードは、マイナンバーカードと連携した円建てステーブルコイン決済の実証を2026年1月から開始しており、大手金融機関による導入に向けた動きが進んでいます。
こうした動きは、民間セクターにおけるステーブルコイン活用の現実性と持続性を示し、政策的な後押しのもとで社会実装が進んでいることを表しています。
こうした採用拡大を背景に、HashPort Walletの今回の機能拡張は、円建てステーブルコイン決済の基盤を強化し、日本市場でのWeb3社会実装を後押しする取り組みとして期待されています。
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Source:HashPort公式X / HashPortプレスリリース
サムネイル:AIによる生成画像


