「市場提供だけでは責任生じず」 米ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所が、分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発元であるユニスワップラボ(Uniswap Labs)および創設者のヘイデン・アダムス( […]「市場提供だけでは責任生じず」 米ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所が、分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発元であるユニスワップラボ(Uniswap Labs)および創設者のヘイデン・アダムス( […]

ユニスワップへの集団訴訟、残る州法請求も棄却。全面終結へ

2026/03/03 20:34
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「市場提供だけでは責任生じず」

米ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所が、分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発元であるユニスワップラボ(Uniswap Labs)および創設者のヘイデン・アダムス(Hayden Adams)氏に対して差し戻されていた州法請求を3月2日に棄却した。これにより、2022年に提起された集団訴訟は事実上終結した格好となる。

判決を下したのはニューヨーク南部地区連邦地裁のキャサリン・ポーク・ファイラ(Katherine Polk Failla)判事だ。意見書で同判事は、原告による第二修正訴状(SAC)を既判力のある棄却とし、再提起を認めない形で退けている。

原告側は、いわゆる「ラグプル(騙し討ち)」や「ポンプ・アンド・ダンプ(相場操縦)」によって損失を被ったと主張していた。ユニスワップがトークンの買い手と売り手を結びつける市場を提供したことで、詐欺行為を助長したという理論だ。

これに対し裁判所は、ニューヨーク法に基づく詐欺幇助責任が成立するためには、被告が当該詐欺を実際に認識していたことに加え、その詐欺に対して実質的な援助を行ったことが必要であると整理した。

しかし判決は、原告の主張はあくまで「被告が市場やインターフェースを提供した」という点に依拠するものであり、それだけでは実質的援助には当たらないと判断。さらに判決は、銀行口座やメッセージアプリ、SNSなどの一般的なプラットフォームが悪用された場合を例に挙げ、第三者による不正利用があったという事実のみでは法的責任は生じないと明確に述べている。

また、問題となった特定トークンの詐欺性について、被告が取引当時に具体的に認識していたとする合理的な主張も示されていないとし、「実際に認識していた」との要件も満たさないと結論付けた。

原告はニューヨーク州一般事業法(GBL349)などに基づき、ユニスワップが消費者を欺いたとも主張していた。しかし裁判所は、被告が具体的な虚偽表示を行ったとの十分な主張はないと指摘。さらに、リスクに関する警告や利用規約は公開されており、重要情報を隠していたとはいえないと判断した。

加えて裁判所は、原告自身が損害の原因をトークン発行者の不正行為にあると位置付けている点を踏まえ、ユニスワップの行為との間に法的な因果関係を認めることはできないとした。

不当利得請求についても、原告が被害を受けたと主張する期間中に、ユニスワップ・ラボが問題トークンの取引から直接利益を得たとする十分な主張はないとして退けられた。

なお、通信品位法230条(CDA 230)などの抗弁については、請求自体が成立しない以上、判断する必要はないとされた。

2023年にも連邦証券法請求は棄却

この訴訟は2022年4月、ネッサ・リズリー(Nessa Risley)氏を代表とするトレーダーらによって提起された。当初は連邦証券法違反の主張も含まれていた。

2023年8月、ファイラ判事はこれらの連邦証券法請求を全面的に棄却した。当時の判断では、プロトコルが分散型であることから詐欺的トークン発行者の身元は基本的に不明であり、原告には損害があるとしても、連邦証券法上の責任を負う特定可能な被告を示せていないと整理された。

また、原告らに損害を与えたのは詐欺的トークン発行者のコントラクトであり、ユニスワップの中核スマートコントラクト自体が違法であるとはいえないとも判断された。判決文では、申し立てられた行為に適用するために連邦証券法を拡大解釈することは相当でなく、DeFiに関する規制整備は議会の役割であるとの見解も示されている。

その後、第二巡回区控訴裁判所は連邦証券法上の棄却判断を支持しつつ、州法請求の検討のため差し戻した。そして今回、差し戻されていた州法請求も既判力付きで棄却されたことで、訴訟は全面的に終結した形となる。

Uniswap側「またもDeFiにとって画期的判決」

ユニスワップラボの法務総責任者兼政策責任者であるブライアン・ニストラー(Brian Nistler)氏はXで、「またしてもDeFiにとって画期的な判決が下された」と投稿し、身元不明の第三者発行者による不正行為について被告に責任を負わせることはできないとの判断が改めて示されたと評価した。また、「スマートコントラクト(コンピュータコード)の作成者が、第三者のユーザーによるプラットフォームの悪用について責任を問われるとは『論理に反する』」との判決文の一節も引用している。

アダムス氏も、「オープンソースのスマートコントラクトが詐欺師に利用された場合、責任を負うのは詐欺師であって開発者ではない」と述べ、今回の判断を「良識ある妥当な結論」と評している。

ユニスワップはDeFi領域を代表するプロトコルの一つとして成長する一方、これまでにも法的論点の中心に置かれてきた。同社は米証券取引委員会(SEC)からウェルズ通知(Wells Notice)を受け取るなど、規制当局との法的議論にも対応してきた経緯がある。ウェルズ通知とは、SECが企業や個人に対して法的措置を検討していることを事前に通知する文書だ。

その後SECは2025年2月、ユニスワップ・ラボに対する調査を終了し、強制措置を行わないことを決定している。

参考:判決文
画像:PIXTA

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