米フロリダ州議会は、支払い用ステーブルコインの発行と運営を規制する州レベルの法案を可決した。法案「Senate Bill 314(SB314)」は州上院で37対0の賛成多数で承認され、すでに州下院も通過している。今後数週間以内にロン・デサンティス知事の署名を経て成立する見込みだ。

この法案は、州内で発行される支払い用ステーブルコインに対する規制枠組みを定めるもので、消費者保護や金融安定の確保を目的としている。フロリダ州のColleen Burton(コリーン・バートン)州上院議員によると、同法案は2025年7月に成立した連邦法「GENIUS Act(ジーニアス法)」の基準に沿った内容となっている。

SB314では、ステーブルコインを「マネーサービス事業」に関する既存のマネーロンダリング防止規制の対象に組み込む形で管理する。これにより、ステーブルコイン発行者は既存の規制に従うことが義務付けられ、無認可での発行は禁止される。

また、一定の支払い用ステーブルコインについては証券には該当しないことが明記された。

州外に拠点を置く発行者についても規制対象となり、フロリダ州金融規制局(Office of Financial Regulation、OFR)に対して書面による通知を提出することが求められる。

法案では、支払い用ステーブルコインの監督体制についても規定している。一部のステーブルコインは州の金融規制局のみが監督する一方、他のケースでは米通貨監督庁(OCC)と共同で監督される仕組みとなる。

また、連邦法で禁止されている場合には、ステーブルコイン発行者が保有者に対して利息などの形で収益を支払うことを禁止する条項も盛り込まれている。

同時に、関連法案「CS/CS/SB 1440」も可決された。この法案は、暗号資産(仮想通貨)企業やステーブルコイン発行者に関する情報の機密性を強化するもので、金融規制局が取得する情報の保護範囲を拡大する。

対象には暗号資産事業者やステーブルコイン発行者、さらにそれらの発行主体として機能する信託会社などが含まれる。企業の営業秘密や非公開情報の保護を目的としている。

連邦レベルの議論との関係

米国では、2025年に成立したジーニアス法によってステーブルコイン発行に関する基本的な枠組みが整備された。一方で、暗号資産市場全体の構造を規定する包括的な法案はまだ成立していない。

下院では「Clarity Act(クラリティ法)」と呼ばれる市場構造法案が検討されているが、利回りを提供するステーブルコインを巡る銀行業界の懸念などにより、上院での成立には至っていない。

今回のフロリダ州法は、そのような連邦レベルの議論と並行して、州として独自にステーブルコイン規制を整備する動きとみられている。

Florida Blockchain Business Association(フロリダ・ブロックチェーン・ビジネス協会)の創設者Samuel Armes(サミュエル・アームズ)氏は、今回の法案可決を「米国で初めて州レベルのステーブルコイン枠組みが成立した歴史的な出来事」と評価した。

同氏は、フロリダ州がビットコインや暗号資産分野で主導的な役割を果たしてきたと述べ、「米国、そして世界のビットコインの中心地になることを目指す」としている。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

Sponsored
「価値の流れは、必ず変わる」大手コンサルからWeb3へ──HashPort吉田世博氏が見据える次の金融インフラの姿とは
ブロックチェーンは「価値の流れ」をどう書き換えるのか。万博デジタルウォレットを手掛ける吉田氏が語る、2026年の金融インフラ。
📖 3分で記事を読む
提供:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社