DAOガバナンスプラットフォーム「Tally(タリー)」のCEOデニソン・バートラム氏は17日、5年超にわたり運営してきた同サービスを終了すると発表した。あわせてICO計画の撤回も表明し、ガバナンスアプリケーションは月末から段階的な終了プロセスに入るとしている。
バートラム氏は、サービス終了に至った理由について、分散型プロトコル向けガバナンスツールには、少なくとも現時点でベンチャーキャピタル支援型の事業が成立する市場はないとの認識を示した。ICOの断念についても、ほぼ全プロセスを経た末に現在の市場では成立しないとの結論に至り、トークンを販売した場合にホルダーへの約束を履行できる確信が持てなかったことが最終的な判断の決め手になったと説明した。
タリーは、イーサリアムのエコシステム上で数千の分散型プロトコルが生まれ、数百万人がガバナンスに参加する世界を想定して設計された。しかし、暗号資産業界がここ数年で見出した市場への適合は決済と投機の領域であり、ガバナンスインフラへの需要は想定した規模には成長しなかったという。
タリーは運営期間中、10億ドルを超える決済を処理し、同社が運用を支えたシステムを通じて保護された価値は一時800億ドル超に達した。利用者数は100万人を超え、数百の組織がタリー上でガバナンスを運営し、数千万件のトークンホルダーアドレスがガバナンスに参加した実績を持つ。バートラム氏は、これらの運営を通じて重大なセキュリティインシデントが一度も発生しなかったことを強調した。
今後は主要パートナーと連携し、エンタープライズクライアント向けの継続プランを整備する。移行対応が進む間はインターフェースの稼働を維持する方針であり、小規模な組織については個別に連絡が届いていない可能性にも言及した。バートラム氏は、タリーは暗号資産の未来の一部ではなくなるかもしれないが、その歴史の一部ではあったと振り返っている。
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