Zcash Foundationは、Orchardシールドプールの重大な不具合を修正する緊急アップグレードを提供した。これを受け、暗号資産市場全体が下落する中でもZcash(ZEC)は上昇した。
今回の修正は、Zebra 4.5.3および5.0.0の2つのリリースにより実施された。Orchardトランザクションを一時停止し、修正版の回路で復旧させた。資金流出はなく、総供給量にも影響はなかった。
不具合は、Zcashの新しいプライバシープールを支えるゼロ知識システム「Orchard Action回路」に存在した。悪用されれば、検知されずに価値が生成される可能性があった。
Xで最新ニュースを速報します
これまでのアップグレードで過去最高額のZECがシールドプールに移された経緯があり、Orchardの脆弱性はリスクが増していた。両リリースとも発見から数日以内に提供された。
Zebra 4.5.3は、ブロック高3,363,426で緊急ソフトフォークによりOrchardアクションを無効化した。その後、Zebra 5.0.0がブロック3,364,600でNU6.2ハードフォークを実施し、Orchardを再び有効化した。
財団は、不正利用が確認される前にこの欠陥を特定したと説明した。透過型トランザクションやSaplingトランザクションには影響がなかったため、ユーザーの匿名性も維持された。チームはすべてのノード運用者に5.0.0へのアップグレードを呼びかけている。
Zcashが数時間ブロック生成を停止したとの報告があった。複数のエクスプローラーで、アップグレード期間中にチェーンがブロック高3,364,601付近で停止したように表示され、SNSで混乱が広がった。
しかし、この停止は見かけ上のものだった。マイニングプールは新規則でブロック生成を継続し、遅れていたエクスプローラーが再同期した。
6月3日昼までに、ほとんどのエクスプローラーはアップグレード後のコンセンサスに追いついた。
本稿執筆時点でZECは596ドルで取引され、24時間で5%超上昇した。市場データによると、この日のレンジは560ドルから638ドルだった。ビットコインなど大型銘柄は下落した。
時価総額は99億ドル規模で、ZECは時価総額順位で13位付近。これは、プライバシー資産への資金シフトがここ数カ月でトークン価格を押し上げてきた流れを反映する。
機関投資家の関心拡大も、プライバシー需要の高まりと連動している。ZECのETF化の話題も追い風となるが、承認は不透明な状況にある。
今回のインシデントは、Zcashの板情報よりもネットワークの調整能力が問われた格好となった。一部アナリストは長期的な高値目標を提示しているが、5.0.0へのアップグレードが円滑に完了するまで予想の域を出ない。
