6月第1週、DeFi市場の動向が二分化している。クジラの資金移動、預け入れ資産総額(TVL)、価格の急変動を見ると、3つの注目すべきDeFiトークンとそのプロジェクトが浮かび上がる。1つは好調を続け、2つは苦戦している。
今回はスマートマネーの動向と価格チャートがほぼ一致している。
今週の明確な勝者はハイパーリキッドである。HYPEは過去7日間で約17%上昇、過去1か月で約51%値上がりした。直近24時間で8%下落したが、それでも上昇基調は維持した。
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クジラの資金移動が強さの要因である。新規ウォレットが2440万ドル分を追加し、これは通常の約3.4倍のペースだった。加えて、約250万ドル分のHYPEが取引所から流出した。トークンの取引所流出は通常、売却準備よりも保有志向の強さを示す。
基礎指標も連動する。ハイパーリキッドのTVL(プロトコルに預けられた資産のドル価値)は5月下旬の約55億2000万ドルから現在は約58億8000万ドルへ増加した。
クジラが約270万ドル分の利益確定売りを行い、アーサー・ヘイズ氏も売り手の1人となった。TVLは依然として増加しているため、強気相場の中での利確と見られ、ピークとは考えにくい。
Baseチェーン最大の分散型取引所であるエアロドロームは、対照的な展開となった。DeFiトークンAEROは、直近1日で6.85%下落、過去1か月では約22%値下がりした。
クジラの資金移動には明確な傾向がない。新規ウォレットは約1730万ドルを追加したが、通常よりも低いペースだった。一方、主な利益確定勢は約22万2000ドルを売却した。注目すべきは、取引所への預け入れが積み上がっており、これは今後の売り圧力を示唆する。
この傾向は基本指標にも表れる。エアロドロームのTVLは1月の約5億100万ドルから、現在は約3億1200万ドルにまで減少した。
年率換算のインセンティブは約1億6500万ドルに対し、収益は約5200万ドルと、大きく上回っており、プロトコルが稼ぐ以上の報酬を支払っている。
ジュピターは最も興味深い事例だ。プロジェクト全体と基幹トークンの1つが相反する動きを見せている。ガバナンストークンJUPは24時間で約15%下落した。だが、プロトコル自体は成長している。4月には約23億4000万ドルだったTVLが、現在は25億1000万ドルまで増加した。インセンティブ支出はゼロである。
大量売却は、別のDeFiトークンJLPに集中している。JLPはジュピターのパーペチュアル取引所流動性プールのシェアを表し、保有者は資産バスケットを預け、無期限トレーダーの「胴元」役となる。
JLP保有者はパーペチュアル取引の手数料が主な収益源となるが、プールの市場リスクも負う。クジラはJLPから通常の14.7倍の速さで流出し、そのうちの2490万ドルが取引所に送金された。
両者の関係は以下の通りである。JLPとJUPはいずれもジュピターのトークンだが、役割が異なる。JLPはパーペチュアル取引所の資金であり、JUPは同取引所が生み出す手数料が収益源となる。そのため、JLPから資金が流出すると、JUPの価格とも本質的に連動する。
クジラが2490万ドルをJLPから引き揚げた場合、それはジュピターの最大の手数料源から距離を置く行動にほかならない。
支援者が減れば、エンジンは弱くなる。エンジンが弱まれば、JUPに入る手数料も減少する。したがって、JLPからの資金流出とJUPの15%下落は同じ方向性を示している。これはジュピターに関する1つのストーリーであり、別々の出来事ではない。
本稿執筆時点で手数料と預かり資産額(TVL)は健全な水準を保つ。しかし、JLPからの資金流出がこのペースで続けば、JUPに紐づく手数料もやがて失速する可能性が高まる。

