グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、アバランチ(Avalanche/AVAX)を対象とした現物ETF(上場投資信託)への転換を目的として、SEC(米国証券取引委員会)にS-1登録届出書の更新版を提出した。
既存のアバランチ・トラストをETFへ転換する計画に関するもので、SECの審査に対応しつつ制度面の整理を進めた形となる。
今回提出された書類は、S-1に対する2度目の修正とされており、管理手数料やステーキング手数料、免除の有無といったコスト構造については現時点で明らかにされていない。
一方で、現物による発行および償還の仕組み、リスクおよび税務に関する開示、財務データの更新など、制度設計に関わる記載が中心に見直された。また、スポンサー情報が更新され、Grayscale Investments Sponsors LLCが当該信託の唯一のスポンサーであることが明記された。これらの修正は、審査過程で示されたSECの指摘事項を踏まえた対応と位置付けられている。
承認を得た場合、このETFはナスダック(Nasdaq)にティッカーシンボル「GAVX」で上場する計画となる。なお、現在は店頭市場において「AVAXFUN」として取引されている。
アバランチETFを巡っては、他の資産運用会社も動きを見せている。
ヴァンエックは、アバランチETF(VanEck Avalanche ETF/VAVX))の管理手数料を0.30%とする方針を公表し、ステーキングプロバイダーとしてコインベース関連サービスを利用する計画を示した。
こうしたETF関連の進展を背景に、AVAX価格は一時12ドル台を回復し、過去1週間で9%を超える上昇を記録した。その後は短期的な調整が入り、直近24時間では約2.5%下落したほか、取引量も約18%減少している。
デリバティブ市場では、AVAX先物の未決済建玉が一部取引所で減少する一方、増加する場面も確認されている。
ロングとショートの双方でポジション構築が続いており、投資家の関心はETF審査の行方を見極める段階に移っている。
SECは仮想通貨分野を巡り、関係団体や事業者との協議を継続している。アバランチETFのS-1更新は、こうした対話が進む環境下で行われた手続きであり、今後は審査結果とともに、複数の申請が並行するアバランチETF市場の動向に注目が集まる。
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