AI関連トークンが主導し、売られ過ぎとなっていた暗号資産市場でオルトコインが月曜日に大幅反発した。
ワールドコイン(WLD)、ニアプロトコル(NEAR)、ビットテンサー(TAO)は週間で2桁の上昇率を記録した。一方、ビットコイン(BTC)は6万3000ドル超で安定推移した。
この動きの背景には2つの要因がある。ひとつはイーロン・マスク氏によるSpaceXのIPOおよびAI部門xAIの上場に向けた投資家の動向。もうひとつは、買い手を引きつけた同じチャートが、今回のオルトコインの上昇が短命に終わる「デッドキャットバウンス」となる危険も示唆している点。
最も明確な原動力は、SpaceXの上場カウントダウンである。同社は6月11日に公募価格を決定し、12日にナスダック上で「SPCX」として取引開始する。
引受幹事は1株135ドルで株価を設定し、SpaceXの企業価値を約1兆7700億ドルと評価する。調達規模は最大750億ドルとなる見込みで、過去最大の新規株式公開となる可能性がある。投資家の間では、この上場がAI投資という見方が広がりつつある。
この見方には根拠がある。SpaceXは2026年2月にxAIを買収し、マスク氏のAI研究所をロケットメーカー傘下に迎えた。これにより、AI関連銘柄が新たな物語性を持った。
資金流入も速い。ワールドコイン(WLD)は24時間で約12%上昇し、30日間でおよそ2倍となった。この動きは、今四半期のAI系暗号資産の急騰と重なる。
ニアプロトコルは1日で約7%値上がりし、月間で約40%上昇した。ビットテンサー(TAO)は約4%上げ、市場全体でAIトークンが際立つ展開が続く。
各プロジェクトはAIならではの強みを持ち、SpaceXの上場本番を前に投資妙味が意識されている。
こうした用途から、トレーダーは上場をAIテーマ全体の代替指標として捉えている。
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もう一つの要因は慎重な見方だ。ビットコインはきょう、およそ6万3500ドルと前日比2%高で推移したが、年初来最安値6万ドル付近まで下落する局面もあった。
この6万ドル付近は、今回のサイクルでの最安値であり、心理的な下値抵抗帯である。この水準で反発しても、本格反転とは限らない。
ただし、全体的な下落基調には変化がない。ビットコインは週間で約11%、月間で21%減少し、「デッドキャット・バウンス」的な値動きが続く。
著名投資家の中には、すでに利益確定売りを進める動きもある。アーサー・ヘイズ氏は株式上場を前に保有資産を縮小し、NEARで利益確定するなど、強気相場の終焉を示唆する兆しを見せた。
一方で、アナリストのマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は逆の見方を示す。レンジ相場が続くことでオルトコインの上昇余地が広がると指摘する。
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資金の獲得競争がリスクをさらに高めている。スペースXと1兆ドル規模の上場を控える企業群が、かつて暗号資産へ流れていた機関マネーを呼び込んでいる。この資金流入の変化は、暗号資産業界のIPO(新規株式公開)イヤーの姿を塗り替えた。
今後数回の取引はスペースXの上場動向次第となる。堅調な初値となれば生成AIトークンの買いが続く一方、軟調な上場であれば、この反発局面の脆弱さが露呈しかねない。特にビットコインが6万ドル台前半まで下落した場合はその傾向が強まる。


